第27章 草刈り機
ぽりぽりと頭をかきながら椅子から立ったシカマルを見て、キリの頭に疑問符が浮かぶ。
与えられた任務のメンバーをそう簡単に変更なんて、ましてや勝手にそんな事をしてはいけないのではないか。
シカ「どうせ今日はすることもねーしな、俺も行くわ」
キリ「……でも、11班が受けた任務でしょう」
シカ「ただの草むしりだろ?報酬も要らねーし、ちっとついてくだけだ。別に構わねーだろ」
「里内だしな。どこに居ようが俺の勝手だ」と気だるそうに準備を始めたシカマルを見て、キリは少し困惑した様子でシカクに視線を向ける。
シカク「ああ、それぐらいなら問題ねーだろう」
シカクが任務の依頼書をシカマルに手渡すと、シカマルはそれを見るなり、げっと顔をしかめた。
シカ「んだよこれ、結構広ーじゃねぇか。めんどくせー」
すると、パッとキリはその紙をシカマルから奪いとった。
キリ「一人でいくから、大丈夫」
そう言って内容に目を通し始めたキリの依頼書を、シカマルは再度奪い返して、折りたたむとそれを胸ポケットにしまい込む。
シカ「二人でやりゃ早く終わんだろーが、早く行ってさっさと帰ろうぜ」
キリとシカマルのじゃれあいを見ていたシカクは、ふと表情を緩める。
シカクに助け舟を求める視線を向けてくるキリに頷けば、諦めたようにキリはシカマルと共に準備を始めた。
シカク(よし……大丈夫そうだな)
シカク「俺は仕事に戻る。シカマル、任せたぞ」
シカ「おー」
後ろを向いたまま、ひらひらと手を振ったシカマルを見て、シカクは再び家を出て行った。