第27章 草刈り機
本来であれば、あまり一人で出歩かせたくないのだが。
今回の任務は一応、少しはずれにはなるが里内での任務だ。
キリには充分に気をつけるように言って、任務を実行してもらう他ないだろう。
シカクが作業を中断し、家へと戻るとちょうど昼食を終えたばかりの三人が食卓についていた。
ヨシノ「あら、おかえり。どうしたんだい?」
シカク「ただいま。ちょっとキリに話があってな」
キリ「はい」
こちらに居住まいを正したキリに、先ほどの任務の説明をすれば、キリはそれに二つ返事で了承した。
さっそく任務へ行く準備を始めたキリに一抹の不安がよぎる。
シカク(……くそ、どうにも今日は良くねぇな)
シカク「……キリ、くれぐれも気をつけろ」
キリ「はい、ありがとうございます」
シカクが言わずとも、キリは普段から任務中に気を抜くような性格ではない。特に今は、外出時に油断をすることはないはずだが。
それでも、心配は拭いきれない。
すると、手早く忍具の確認をしているキリの背後から、ひとつの声が上がった。
シカ「俺も行く」
キリ「え?」