第26章 両手に花
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ーーその後の親子ーー
あの後、キリは部屋へと戻っていき、残った三人は居間へと集合する。
シカク「そんなに拗ねんなよシカマル」
シカ「っ、拗ねてなんかねーよ」
シカク「はっはっは、残念だったなぁ俺ばっかりで。昨日もお前だけキリに玉子焼き食わせてやれなかったしな」
シカ「っく、うるせー」
シカク「まぁまだまだ俺にゃ敵わねぇってことだ」
「悪いなーシカマル」と、そう言いながらも、終始シカクは上機嫌で、シカマルは複雑な心境で父を見つめる。
シカク「っか~、美味い!」
ヨシノから注がれた酒をシカクは一気に飲み干した。
最近は酒を飲むことがあまりなかったが、今日は良い日だ。こんな日も有りだろう。
ヨシノ「はーやっぱりいいねぇ女の子は。可愛いったらないよ」
シカ「可愛気のないガキで悪かったな」
シカク「はっはっは、まあそのうちキリも娘になるんだ。気合い入れろよシカマル」
ヨシノ「そうだよ、あんたグズグズして誰かに盗られでもしたらタダじゃおかないからね」
シカ「はっ⁉ 急になに言ってんだよ」
シカク「なんだ。迎え入れる準備が出来てるのは俺たちだけか?」
顔を赤くしたシカマルは、言葉を詰まらせて立ち上がった。
シカ「〜〜〜〜〜っ、寝る」
そんなシカマルをヨシノと二人で「おやすみ」と見送って、シカクは夫婦での晩酌を楽しんだ。