第24章 ひな鳥
キリが靴を脱いでいれば、ひょっこりとヨシノが居間の方から顔を出した。
ヨシノ「あら、おかえり」
ぺこりと頭を下げれば、ヨシノはこちらへと歩み寄ってくる。
ヨシノ「うちの人達を見なかったかい?」
キリ「あー……あの二人なら、星を見に散歩をするそうで。そこに」
キリが外を指差せば、そこでは玄関先で何やらもごもごと、行き過ぎた過保護心の責任を押し付けあっているシカクとシカマルがいる。
ヨシノ「ほんとに馬鹿だね、まったく」
ヨシノはそんな二人のもとへ、呆れたように笑って近づいていく。
ヨシノ「ほら、いつまでもバカやってないで早く入んな。ご飯だよ」
ヨシノに連れられて入ってきた、バツの悪そうなシカマルとシカク。
キリ「……星はいいんですか」
シカク「いやぁ、母ちゃんのメシには何も敵わねーからな」
はっはっは、とシカクの乾いた笑いが廊下に響いて、シカマルも居心地の悪そうな顔をしていた。
居間の食卓に着席すると、ヨシノが四人分の夕食を次々と運んで来る。
ヒナタとの話、そして帰路が長引いてしまい、普段よりも少し遅い夕食時間になっていた。
キリ「すみません、お待たせしてしまって……」
ヨシノ「あぁ、そんな事は全然いいんだよ。シカマルがあんたを待つんだって聞かなくてね」
「ねぇ?」とヨシノがシカマルの方へ視線を向ければ、シカマルの頬が少し色付いた。
シカ「っ、わっわざわざ、んな事言わなくてもいいだろーが」