第4章 初演習で
今日の授業は、座学だけではなくて体術があり、ナルトやキバはやる気満々でわかりやすくテンションが上がっている。
シカマルはといえば、どっちもどっち。つまらない授業を聞くのはかったるいが、寝ていればいつの間にか終わっている。
けれど、チョウジたちと話している時間が多い分、まだ体術や忍術の演習の方がマシかと言う程度だ。
演習場のそばにみんなが集合し、相手を決めるためにイルカがクジをしようとしたところで、この間、転校生の噂をしていた団体の1人から声があがる。
「ねぇ イルカせんせー!まず、転校生の子の実力が見たい。他のみんなはある程度どんな感じかはわかってるし。ね、いいでしょ?」
そうしようそうしようとさわぐ女たち。それ以外の奴らも後押しする。
衝撃的な自己紹介の後から、周囲と打ち解けようとする姿が欠片も見られないキリが、どれほどの実力なのか気になっているようだ。
シカ(俺の出番さえ後になりゃなんでもかまわねー)
ぐーっと、大きく伸びをする。
今日は凄く天気が良かった。
演習なんて中止して、夢の世界へ旅立ちたいところだ。
イルカ「そうだなぁ、キリ。お前はどうだ?」
キリ「私は別に構いません」
そのそっけない態度に女たちは少し気を悪くする。
ただでさえ、初日から印象が悪いというのに、その後の態度も加算され、今では周囲からの好感度は下がりに下がっている。
シカ(あーあー)
周りほど自分は 嫌い とかそういった感情はないが、見ていてずいぶんと生き辛そうな奴だと、そう思う。
イルカ「じゃあ、相手を決めるぞ。みんなクジを引いてくれ」