• テキストサイズ

ささめごと -ながい夢- 【NARUTO】

第22章 子供の宿命




ただぼんやりと川べりに佇んで。

一体どのくらい、こうしていたのだろうか。


まだ高くにあった日も落ちて、とっぷりと夜がふけている。

何をするでもなく、ただここに居た。再びあの家へ戻ることを思うと、酷く気が重くて、足が動かなかったのだ。



もういいから、戻ってしまおうか。

三代目が用意してくれたあのアパートに。



いくら危ないからと言われても、そこまで言うことを聞く必要はあるのだろうか。

この隊長命令は適切なのだろうか。


キリ(何も出来ない子どもじゃあるまいし……)

これでも、戦闘能力や危機管理能力には少しばかり自信もあった。



今夜、自分はもとの住居へと戻ると伝えよう。そう決心する。



キリ(……嫌、だな)


あの三人がいる家へ戻ることも。

そして、これ以上ないほどに自分に優しくしてくれたみんなに、先ほどの決意を告げることも。


それを言って、彼らがどんな顔をするのだろうと思えば、気が滅入って仕方がなかった。



あと、あと少しだけこうしたら、奈良家に戻ろうと溜息をついて、夜を映して真っ黒になった川を見つめる。

今日は一日、こんな風に不毛な事を繰り返していた気がする。



そうしてすぐに、猛スピードでこちらへ駆けてくる気配に気が付いた。キリはいつの間にか下がっていた顔を上げて、気配がした方角を見る。

キリ(……これは)





シカ「っ、はぁっ、はっ」


森を抜けて、辺りを見回すシカマルと視線が混じる。



シカ「キリ!!」



/ 1018ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp