第21章 有能助手
キリ「大丈夫……?」
突然のシカマルの不可解な行動に、キリが様子を伺ってくる。
普段ならば、こうして気にかけてくれるのは嬉しい。
しかし、今はとにかくそっとしておいて欲しい。叶うならばそのまま先程の時間を記憶から抹消して欲しかった。
シカ(あー、くそ)
なんだってキリの事になると、こんなにも要領良く出来なくなるのだろう。
……………………………
ーーその日の夜ーー
シカク「シカマル、今朝の治療はどうだ」
シカ「あぁ問題なかったぜ」
今朝の治療時にキリがかなり手厚くサポートをしてくれた事を話せば、シカクも初めは驚いた様子ではあったが、普段からキリの能力の高さを知っているからかすぐに納得をした。
シカク(来てすぐはどうなることかと思ったが……最近は本当に良い傾向が見えるな)
まだまだ壁や距離はあるものの、キリの本質の柔らかさが徐々に見えてきたように思える。
人間よりも子鹿に対しては特に顕著だ。
シカク「キリが嫁に来てくれりゃいいんだがなぁ」
シカ「なっ、急に何言って…!」
シカク「お前も男なら頑張れよ、シカマル」
シカ「っ……うるせーな、わかってるよ」
真っ赤に顔を染めた息子に、シカクは豪快に笑う。
シカマルは頬を朱色に染めながら不機嫌そうに眉を寄せた。