第90章 それぞれのご報告 ー猪鹿蝶編ー

ただ、キリとの交際を反対されても、こちらは退くつもりは全くないが。

ただそれでも、肝は冷えるものである。


結果的に、シカクはシカマルをからかっていただけで、シカクもヨシノも喜び、祝福してくれた。

シカクは、これからキリを守っていくにあたって、シカマルの男気を少し確認しただけだろう。

ひとまずは、シカマルもそれに合格を貰えたようである。


シカクもヨシノも、シカマルのキリへの想いには気付いていた。

それどころか、聞けばキリがシカマルに好意を持っていたことも二人は知っていたという。


それに関しては、少しぐらい教えてくれよと思わないでもなかったが、シカマルたちの問題だと、口を出さずにいてくれたのだろう。


きっと、シカマルがキリの好意に気付いていたら、また今とは違う形になっていた。


こうなるまで時間はかかったが、そのどれも必要なものだったと、後悔はしていない。

今の結果に満足しているから、シカク達には感謝しなくてはいけない。

シカクたちも、ずいぶん気を揉んでいたようなので、報告時の恥ぐらい優しいお返しだろう。


シカ「まあ、考えても仕方ねぇ」

やってしまった事は、悔やんでも戻らないのだから。

早いところ、気持ちを切り替えた方が得策だ。



シカ「あとは、あいつらのところか」

シカクとヨシノに報告を終えて、シカマルが次に話す相手。


その相手はすぐに、頭に浮かんでくる。