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ささめごと -ながい夢- 【NARUTO】

第89章 それぞれのご報告 ーお手紙編ー






イチカ「ちょっと! お願いがあるんだけど!!」

「うっわーすげぇ聞きたくねぇんだけど、それ拒否する選択肢ある?」

イチカ「ない」

「だよな」


諦めたように、お願いの内容を聞く同期に、イチカは小刀を両手にとった。


イチカ「修業に付き合って」

「は?」


イチカ「早く行くわよ!」

「いいけど、なんでまた急に」


イチカ「必殺技の練習」

「必殺技? どんな?」



イチカ「そうね、出来るだけ一撃が重いのがいいわ。頭と胴が一瞬で離れるぐらいの」

「それもう死んでんじゃん。誰に……」


その必殺技を使う気なんだと、野暮な質問は飲み込んだ。

(頑張れ……奈良シカマルって人……必殺技よけろよ……)

同期がずるずると引き摺られるようにして行った修練場では、いつまでもイチカの怒号と、同期の叫び声が響いていた。




***********



手紙の返事は、思っていたよりもずっと早く、キリのもとへ届いた。


キリ「ありがとう、お疲れ様」



キリは手紙を届けてくれた黒鳥に礼を告げる。

黒鳥は目を細めると、満足気に鳴き声をあげて、ボンッと小さな煙を残してこの場から姿を消した。


シカ「手紙か?」

キリ「ええ、イチカからの返事」

忍具調達のために、買い物に出ていた二人は里内で立ち止まる。

シカ「ちょっと休憩するか。そこで待ってろ、何か飲むもの買ってくる」


そう言うとシカマルは、木陰にあるベンチに指を差す。

キリ「いいの?」


シカ「おー喉乾いてたしな。なんでもいいか?」

キリ「ありがとう。任せるわ」


短い相槌を打って、背を向けたシカマルに、キリは小さく微笑んだ。


せっかくシカマルが気を遣って、手紙を読む時間をくれたのだから、有り難くそれに甘える事にする。

キリはベンチに腰をかけると、手紙の封を解いた。

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