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日の守護者【鬼滅の刃】

第3章 もう一つの呼吸


名前は炭治郎達と別れた後、いくつかの任務をこなしながら十二鬼月を倒した報告のために産屋敷邸の庭へ来ていた。

今日は産屋敷の体調が良くないようで代わりに妻のあまねが名前の前に姿を現して名前の前に座った。


「折角足を運んでくださったのに申し訳ありません」
『滅相もございません、お館様にはご自愛頂きますようお伝えくださいませ』


名前は片膝を付きあまねに挨拶をする。
あまねはそれに応えるように小さく頭を下げた。

「十二鬼月の討伐、耀哉は大層喜んでおられます」
『恐縮です』
「……それと、柱への昇格についてですが、近々柱合会議を行う予定ですので、その際に正式に決定となります」
『承知致しました』


あまねは産屋敷から託された伝言を名前に伝えると、一礼をして部屋を後にした。
残った名前はあまねが退席すると小さく息を吐き緊張を解き立ち上がった。


……柱か。


一族の使命として、家族を殺された復讐として鬼狩りを始め、数え切れない程の鬼を倒してきた。
いつしか位も上がり、同期のほとんどは死に、下の者に指導する立場となっていた。

そして今、柱になろうとしている。





「おい、なにやってんだァ」


ふと後ろから声がしたので振り返ると、風柱である不死川実弥が立っていた。
流石は柱なだけあり、声をかけられるまで気配を感じなかった。


『お館様に任務の御報告をしていました』
「なんで柱でもねぇお前がお館様に直接報告になんて来てるんだよォ?」


確かに柱以外の隊士は基本的に鎹鴉を通じて任務を受けたり報告をしたりする。
産屋敷が直に話をするという行為は普通は柱以外にはありえなかった。



『十二鬼月を倒した任務でしたので、直接の方が良いかと思いました故』
「んなこたァ知ってるよ、天の呼吸だったか?そいつは柱に相応しい強さなんだろうなァ?」



鎹鴉を通じて十二鬼月を倒した事や天の呼吸については柱の皆には伝わっているのだろう。
不死川はその力が柱に相応しいかを知りたいようだ。



『精進します……』


控えめに言う名前に不死川は目を細め、名前の肩を掴んだ。




「今ここでその天の呼吸とやらを見せてみなァ?」
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