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日の守護者【鬼滅の刃】

第3章 もう一つの呼吸






とある山の中腹に、一軒の大きい屋敷があった。
鴉の情報によると、この中に十二鬼月がいるとの事だった。



――が。




「君の顔に文句は無い!!!こじんまりしていて色白でいいんじゃないかと思う!」
「殺すぞテメェ!!かかってこい!!」
「駄目だ、もうかかっていかない!!」
「もう一発頭突いてみろ!」
「もうしない!!君はちょっと座れ!大丈夫か!」


その屋敷の入口の前で、竈門炭治郎ともう一人の少年が言い争っていた。

名前が姿を見せても二人は言い争うのを止めない。
ふと近くに居た黄色い髪の少年に近寄った。


「あ、貴方は最終選別の時の……」
『苗字名前だ……君は』
「我妻善逸です……」
『で、これはどういう状況……?』
「えっとですね……」


善逸はどこからどう話せばという顔をしていたが、その話を聞く前に炭治郎と言い争っていた少年が倒れた。


「うわっ、倒れた!!死んだ?死んだ?」


善逸は名前の陰に隠れて倒れた少年を指の間から見る。
すると炭治郎が名前に気づき頭を下げた。


「名前さん……!あ、これは多分脳震盪です。俺が力一杯頭突きしたから……」


額に傷一つ出来ていない炭治郎を見て、名前は倒れた少年に少しばかり同情した。




……


少年は嘴平伊之助だと善逸が教えてくれた。
猪の被り物を見て最終選別の時に居た人だと気づく。

倒れたままなのも可哀想なので、名前は羽織を脱いで伊之助に掛けようとする。
すると炭治郎と善逸が焦った表情で名前に寄った。


「俺達の使いますんで!」


そう言うと二人は素早く自身の羽織を脱ぎ伊之助の枕と布団替わりにした。


それから名前は屋敷の方をみる。
既に事切れている血まみれの少年が屋敷の近くに倒れていた。
鬼が居た形跡はあるが既に気配はしない。


『鬼は炭治郎達が?』
「……はい、助けられなかった人も居ましたが……」

炭治郎は屋敷を見て悲しげな顔をする。
助けられたのは、先程から善逸の横に居る三人の兄弟だろうか。
善逸が一番背の高い少年が稀血という事で狙われていたという事を教えてくれた。



『炭治郎と俺で亡くなった人を運ぶ。善逸は土を掘って、少年達も善逸を手伝ってくれるかい』
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