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【五条悟】運命は戻らない

第2章 #2 新たな世界


(五条…悟さん…)
花霞は心の中でそっと五条の名を唱えた

どこかで聞いたような…?

中々モヤが取り除けない

(あっ!!)

ハッと思い出す

母との約束を




「ここにきっと五条悟という人が来るから」

「その人が来たらこの手紙を渡すの、いい?」

「ごめんね、お母さんはもういなくなっちゃうから」

「ごめんね…」



この人だ、あの手紙を渡す人は

そう花霞は確信し、グッと五条の袖を掴み
引っ張った

「おわっ、なんだよ」

「は?ついて来いってか?おい引っ張んな」

グイッといきなり引っ張られた五条は
つんのめる

それでもグイグイ引っ張る花霞に
はぁ、とため息着きながら
着いていくことにした

少し歩いて着いたのは花霞の家

「うわ、なんだこれ…ほんとに家か?」

小屋なんじゃないかと思うくらいに小さく
古い造りである花霞の家はおぼっちゃまの
五条には到底家には見えなかった

そんな五条の言葉は耳に入っていないのか
まだ袖を掴み引っ張っていく花霞

中に入るとたった10畳程度の和室があるだけで
他に部屋はないようだった

和室には棚と小さな丸い木テーブルに
キッチンがあるだけだった

「天井ひっく」

190cmはある五条には170cm程しかない戸は
随分低く、少し屈まないと入れない

まぁそんな五条の文句も左耳から右耳へ
抜けているようで花霞は何やら棚を
ゴソゴソ漁っていた

五条は仕方なしに小さな木のテーブルの前に
胡座をかいて部屋を見渡す

ボロボロではあるが雨漏りはしてないようで
屋根はしっかりしているようだった

キッチンも蛇口が無いことから
井戸水でも汲んでいるのか…

まな板や包丁は
手入れされているようで
充実しているようだ

まな板の上に丸々鹿が置かれてるのは
衝撃だが。

ぐるっと部屋を見渡していれば
花霞が何やら手紙のようなものを
手に持ってきた

「読めって?」

そう言えば目を合わせ頷く花霞

それを見て五条は少し黄ばんだ紙を
パラッと開いた

花霞は五条が手紙を読んでいる間
五条の前でじっと正座をし、手を膝において
読み終わるのを静かに待っていた

唐突に五条が問いかける

「花霞外に行きたいか?」
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