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【五条悟】運命は戻らない

第4章 #4 日常


「ここが、今日からあなたの家です」

「……と言われても困りますよね」

『……』

自分の家とは全く比べものにならない家に
あっけにとられる

普通の人からすればただの一軒家だが
木でできた今にも腐り落ちそうな家で暮らした
花霞にとっては豪邸でしかなかった

「とりあえずお風呂に入りましょう」


玄関のドアを開け、廊下を進む

花霞の家に廊下という概念が
そもそもなかったため酷く驚いた


「着替えは申し訳ないですが私の服をお貸しするので」

「右のドアを開けばあります」

「着替えはすぐ持ってくるので」

花霞があっけにとられている間、淡々と話は進みいつの間にやら脱衣場についていた

しかし花霞にとって初めての家に
初のお風呂

花霞の知っているお風呂はドラム缶というやつだ

訳の分からない部屋に連れてこられ
ドアは閉められしまい何もかもが未知

恐怖のあまり固まってしまう

そんな花霞の耳に

ピンポーン

という聞いたこともない音が聞こえた

『……!?』

よく分からない場所に加えよく分からない音に
もう花霞は極限状態

今にも泣き出しそうだった

「七海ー入れてー」

「…なにしにきたんですか」

「なにしにって、花霞の様子見だよ」

「あれ?花霞は?」

「お風呂に入ってます」

「あいつお風呂入れんの?」

「…?あの歳なら1人でも大丈夫でしょう」


「いやあいつ山で育ったんだぜ?」


なぜそう言うことを先に言わないっ!?

七海の顔には呆れと疲労が見える

「お風呂場どこー?」

「…右のドアですよ」

ドアを指さす人差し指も心做しか
ぐったりしてるように見える

そんな七海の心境など露知らず
五条はその指さされたドアをガチャっと開けた
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