• テキストサイズ

【五条悟】運命は戻らない

第3章 #3 人魚の呪い


大きな手にすっぽり埋まった小さな花霞の手

引かれるように後ろを歩く

「お、ちょうどいいとこに」


「なんですか、五条さん」

誰なんだろう?五条さんって言ってるから
五条さんの後輩って人なのかな

花霞は何が起こってるのかも分からず
ただその光景を眺めるのみだった


そんな花霞のことは気にする余地もなく
五条は唐突に投げかける

「こいつ、預かってくんね?」

「………は?」

「いやぁ、お前家に一人暮らしじゃん?」

「あ、こいつ綾芽家」

「ほらあの不死身の綾芽家」

「………綾芽家…」

「そゆことだから」

「………はぁ……」


一方的な会話のキャッチボールに
どういうことだ、と頭の中でツッコミが入る

そもそも説明が少なすぎるし、何故私が預からなければいけないんだ…

子育てなど人生初

五条に大きく振り回されるその後輩は肩をガックリ落とし、大きなため息を着く

そんな顔を不思議そうに覗き込む綾芽

困ったように笑って口を開いた

「私は七海健人、あなたは?」

『………』

「あ!そいつ花霞つー名前!ついでにしゃべれねぇ!」

名前を聞かれオドオドする花霞の後ろから
ふと五条が現れ言うだけ言って去っていく

「……………は?」

「なんであなたはそういうことを……」

「はぁ……」

2度目のため息は夕焼けのオレンジに溶ける



「……行きましょう」

花霞はまた手を引かれ新たな人生へと
足を踏み入れた
/ 42ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp