第5章 無防備に、、、
「、、、痛くはないだろうか?」
「はい、大丈夫です。」
薬を塗ると、包帯変わりにさらしを軽く巻く。
悲鳴嶼は、さらしを巻き終わっても、鈴音の肩から手を離さない。
「、、、悲鳴嶼さん?」
悲鳴嶼はゆっくりと鈴音に近寄ると、左耳の後ろに唇を寄せた。
「、、、鈴音」
耳元で名前を呼ばれ、鈴音の肩がぴくっと揺れる。
「、、、君は無防備だな。」
悲鳴嶼は、鈴音の左の耳元から首筋、肩までを唇で撫でた。
「、、、あっ、、、」
鈴音の口から声が漏れた。悲鳴嶼が慌てた様に手を離す。
「、、、あまり無防備にしているのは、感心しない。」
いってくる、と悲鳴嶼は立ち上がり、任務へと向かってしまった。