第9章 7ページ目 初めての任務(1)
ふと顔を戻せば夏油くんとぱちっと目が合って、それからこくりと真面目な顔で頷かれた。
夏油くん………まかせて!
席が離れている夏油くんのぶんまで、五条くんの寂しさをなんとかしてみせるからね!!
「五条くん」
「ん?」
「わたしの手、すきなだけ握ってていいからね」
「はぁ?……バカじゃね」
「えへへ~」
ぷいっと顔をそらされたけど、手はしっかりと握られたまま。
隠そうとして隠しきれなかった照れが耳に表れていて、それはいつもよりほんの少し赤い。
地肌が白いから、目立つんだよねぇ。
「硝子、あんまコイツに適当言うなよ」
「そうか?そう余計なことでもなかっただろ」
え、てきとうだったの?硝子ちゃん。
硝子ちゃんを見れば、五条くんに向かってニヤリと笑みを浮かべていて。
じゃあ五条くんは…と振り向こうとしたら、ぺちんっと額が音を立てた。
あう、いちゃい。
思わず空いている方の手でおでこに触れる。
五条くんは、わたしの頭とおでこを叩きすぎだと思う。
「お前はもう、大人しく座っとけ」
「ええ~~」
「、返事は?」
「はぁーい」
そんなに騒いだつもりは………ちょっとあるかぁ。
ちぇーっと唇を尖らせていたら、運転していた補助監督含む全員から笑われた。
「皆さん、仲がよろしいんですね」
んん?そう見える?
うふふ、そうなら嬉しいなぁ。
「はいっ、仲良しです」
「そうですね」
「まぁ、はい」
「まぁな」
返事は見事にバラバラだったけどね!