第9章 7ページ目 初めての任務(1)
きょうは四人そろっての初任務!
最近はバラつきのあった朝食も、すこしぶりに一緒。
硝子ちゃんからあーんされて、それから競うように五条くんと夏油くんからもあーんされて。
頬っぺたパンッパンにされるから、最終的にもういらないい!って逃げて、ふたりは硝子ちゃんから怒られて終了した。
食べさせられるのはいいんだけど…五条くんと夏油くんは、変なところで負けず嫌い発揮するのやめてほしい。
お腹もいっぱいエネルギー満タン!になったところで準備も終えて、今は移動の車の中です。
「いやぁ~~緊張するねぇ」
「ん?まぁ、そうだね」
ねっ?と右隣の硝子ちゃんを見たら、表情を変えずによしよしと子供をなだめるように頭をなでられた。
あれ?気持ちいいけど…あれ?
「ねぇ、夏油くん。緊張しない?」
「ああ、そうだね。それほどは」
助手席をじゃんけんで勝ち取っていかにも悠々と座っている夏油くんに聞いてみても、やっぱりそんな答えで。
あれぇ?
「そういうは、緊張してるのかい?」
「え、うん!緊張してる。すごくドキドキしてるよ」
むしろ、なんでみんな緊張してないの?
え、初めての任務だよね?わたしだけとかないよね?
「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ。今日は四人一緒だし、君は硝子と一緒にサポート役に回ってもらうつもりだからね」
「おお、そっかぁ」
「私の守りよろしく、」
「はーい、任された!」
硝子ちゃんは全力でわたしが守るよ!ふんすっ。
やわらいだ緊張の代わりとばかりに、今度は気合を入れ直す。
と、左肩をぽんと叩かれて振り向けばぷにっと頬に沈む指先。
「おい、なにお前らだけで会話してんだ。俺も入れろ」
「なんだ、構ってほしいのか?五条」
「寂しかったのかい?」
「五条くん…?」
「うるせぇ」
あ、否定はしないんだ。
さびしかったんだ、かまってほしかったんだ。
うふふ…口は悪いけど、こういうとこ可愛いよね五条くん。