Smile Again ~君の笑顔をもう一度~【短編集】
第1章 幼なじみ以上…?(ADB)
練習終了。
私とさつきちゃんは後片付けを手伝っていた。
さ「ふー…」
「さつきちゃん、お疲れな」
さ「江刺先輩もお疲れ様です」
「もうこれで最後やね?私やっとくから、さつきちゃん先あがりい」
さ「え、でも…」
「ええから」
さ「すみません、じゃあ…お先に」
私は残っとった仕事を片付けていた。
今「恵那」
あれ。
「翔一?まだおったん?」
今「ワシ主将やで。仕事も色々あるんや」
「さよか…」
今「それが今終わったとこやけど…恵那は終わったんか?」
「私はもう少し。先に…わっ」
今「手伝ったる」
「そんな…練習で疲れとんのに…」
今「これくらいできるわ。…さて、これでええんやな。行くで」
「あ、うん…。おおきに、翔一」
体育館の電気を消し、鍵をかけて外にでると、桜が未だに散らずに咲き乱れとった。
「今年は桜、遅咲きやね。去年はもう葉桜やったのに」
今「せやなあ」
まだ日が早く、薄暗い中電灯に照らされぼんやりと見える夜桜は、ほんに幻想的やった。
今「さ、行くで。もう遅い」
翔一に促され、私達は歩き出した。