Smile Again ~君の笑顔をもう一度~【短編集】
第4章 ALCHIMISTE*鋼の錬金術師*エドワード・エルリック
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バカ…。
エドのバカ…
なんてことしてくれるんだ…。
あんなことされたら私……期待しちゃうじゃない…。
ありもしないことを…。
私は、ふらふらとイーストシティをさまよいながら、ため息をついた。
考えてみれば…この2ヶ月本当に色々あった…。
なにかに巻き込まれるたび、2人で必死になって考えて。
一緒に笑って…一緒に苦しんで……。
ああだめだ。こんなこと考えてたら…。
この感情、抑えられなくなっちゃうよ…。
「エド…」
周りを見て、誰もいないのを確認した。
「すk(ドゴーーーーーン!!)!?」
ものすごい爆音とともに現れたのは…。
「スカー!!」
ス「…前回は逃がしたが…今度は…仕留める!!」
「っ!!」
私は全力で逃げ出した。
しかし、スカー相手に逃げ切られる訳もなく、たちまち追いつかれてしまった。
三方は建物が立ち並び、一方はスカーが立っている。
私の身体はオートメイルでもなんでもないから、スカーの攻撃を受ければ簡単に砕ける。
ス「…ここまでか…。神に祈る間をやろう」
少しずつ近付いてくるスカーに、私はどうもできなかった。
ただ身を堅くして震えていた。
ザッ
イヤ…。
ザッ
イヤ…!!
ジャリッ
イヤ!!
エド…エド…!!
スカーの手が私の頭に伸びてくる。
死にたくない…死にたくない!!
「エド―――――!!」