第5章 最終話 桜の奇跡
それから暫くして、FBIと合同捜査が始まり赤井と話すチャンスが訪れた。
「あっ、あの!暫くは僕の家から通勤した方が良いかと思います……。」
「ありがとう!ホテル泊まりかと思いっていたが助かった。」
僕よ言葉に赤井は微笑みながら言った。
今日は一通りの流れを伝えてから終わり。ヒロにメールで赤井が泊まる事を伝えると了解の二文字が送られて来た。
仕事が終わり赤井を招き入れた瞬間、彼はヒロの顔を見るなり驚いていた。
それもそうだろう死んだはずのヒロが、今は僕の家でのんびりくつろいで居るんだからな。
「降谷君。俺は幻を見てるのか?スコッチが……。」
「僕も最初は夢か幻かと思いましたが、桜が起こしてくれた奇跡かと思ってますよ。」
僕が笑顔で赤井に言えば、なるほど。と理解してくれた。
しかし、この幸せは長くは続く事なんか最初から無かったのだ。
「降谷……俺達4人に残された時間はそんなに長くはない……。そろそろ桜も散る季節。俺達も帰る時が迫ってる。」
伊達が真面目な顔で言えば松田も萩原も頷く。
「ライ。零(ゼロ)の事宜しく頼む。こいつかなり無茶するし、頑固だから、今度は俺達の代わりに守ってやって欲しい。」
ヒロの言葉に赤井は「あの時、スコッチを守れ無かった。次こそは降谷君を絶対に失わせやしない。約束する。」
僕の形に手を置き真剣な顔でヒロに伝えると、ヒロはにこりと笑って、任せたと言うなり体が透け始めた。
それに続き松田も萩原も伊達もヒロと同じ現象に。