第19章 譲れない事もある
「ん、…ぁ、信長様……」
今夜も、信長様の腕の中……
「まだ寒いか……?」
「っ、大丈夫です」
秋も深まり夜になると冷え込む事が増えて来た今日この頃、冷え性の私の体は中々温まらないため、信長様は私を抱いている最中も、何度も寒くはないかと聞いてくれる。
「肩が冷たいな」
信長様は冷たい私の肩にキスをすると布団を被り私を腕に閉じ込めた。
「ありがとうございます」
「構わん、じきに温まる」
優しく笑う顔が近づき、深い口づけを落とす。
「ん、…んぅ、、」
体が外気に触れないように、信長様は私を布団と信長様の体とで包みながらゆっくりと溶かしていく。
「っは、ん、…」
「ふっ、頬に色が差して来たな」
緩やかな注挿と甘く深い口づけが、私の体温を上げていく。
「……ん、……っ、信長様」
「伽耶」
熱い吐息が耳にあたる。
「っ、……はっ、…」
もっと甘やかされたい私は、離れたばかりの信長様の唇をまた求めてしまう。
チュウ…
そんな私の気持ちに応えてくれる様に信長様は更に甘い口づけをしてくれる。
信長様と愛し合う時間は甘くて幸せで…、
でも、激しく揺さぶられる夜も知っている私としては、少し気になる事がある。
「…、はぁ、あの…信長様は、気持ちいいですか?」
私は、どんな抱かれ方をされても気持ちが良いけど、信長様はきっと、もっと激しく抱きたいんじゃないかと思ってしまって…
「急にどうした?この抱き方では物足りんか?」
信長様は意地悪く聞き返す。
「ち、違います。でも、私の体が冷えるのを気にしてだと、信長様は気持ち良くないんじゃないかって…」
少し前までなら、褥の上でしどけない格好で気にすることなく抱き合っていた。
「ふっ、何を言い出すのかと思えば…」
信長様は噴き出すのを堪える様に笑うと、私の額に軽く口づけた。