第16章 夜の誘い方
ブラはほぼサラシ状態だしショーツは紐で結んだハーフパンツっぽくなっていて、色っぽさは全くもってない。
「却下だ!」
「ですよね…」
着心地も全く良くなかったから、自分でもそうかなとは思っていた。
「貴様の考えはまことに読めん。一刻も早く貴様に触れたいと思う俺を焦らすような物を身に纏うとは…」
シュッ、シュッと、胸に巻いたほぼサラシのブラを信長様はブツブツ言いながら、でも初めての玩具を手にした子どものように嬉しそうに取り去り、ハーフパンツ調のショーツにも手をかけ脱がされた。
(う、これはこれで脱がされるのが恥ずかしい…)
「伽耶、明日からは湯浴みを終えたらここへ来い」
「え?」
「例え俺がいなくとも、夜はここで過ごすがいい」
「それって…」
(これからは勝手にここに来て待ってて良いって事?)
「これで貴様の憂いは消えよう?」
「はい。でも…いいんですか?」
「初めからこうしてやるつもりだったが…貴様があまりに必死であったため言いそびれた」
「そうなんです……か?」
(絶対に嘘だっ!言いそびれるなんて、信長様にある訳ないっ!)
「相談した最初の日にそう言って頂いても良かったのに……私で、遊びましたね?」
(絶対、私の反応を見て遊んでたでしょ!)
「人聞きの悪いことを言うな。貴様の提案を無碍にはできんと思っただけだ」
オレ様に笑い口角を上げた信長様は話の終了を口づけで伝える。
「ん…」
悩みは解決した訳だけど、結局は信長様の手のひらの上で転がされていたのだと思うと少し悔しい…
「いじわる…」
「聞こえんな」
さらに口角を上げ私の体を蹂躙して行くこの人に敵うはずがない。
それに、いない日でも夜はここで過ごしていいなんて、私としては合鍵をもらえたくらいに嬉しいから、段々と深くなって行く口づけを全身で受け止めた。
女中さん達に夜の事をあまり知られたくないと言う私の悩みは最高の形で解決し、この夜もまた信長様の腕の中で酔わされ、幸せな眠りに落ちて行った。