第14章 かくれんぼ
「伽耶 」
「んっ!」
組み敷かれた体勢でされるキスは容赦なく深くまで探られる。
ダメだ…
「んん…」
話の続きを聞きたいのに、これ(キス)だけでもう感じてしまう。
熱くて柔らかな信長様の舌に舌を絡め取られる度に、クチュ、クチュと、唾液の絡む音がいやらしく響き、キスだけでは終わらないと伝えて来る。
簡単に合わせただけの襦袢はとっくに乱れていて、大きな手が更にそれを乱していく。
「手を伸ばして触れたいと思ったのは貴様だけだ。こんなに…触れることを待ったのもな」
「っ、信長様…」
「愛しい女を抱く事がどう言う事か…それがやっと分かった」
熱のこもった紅の目はとても綺麗に、そして真っ直ぐに私を見つめる。
「満たされるのに、満たされた分余計に渇く。また抱きたいと更なる欲望に襲われる。もっと貴様が欲しいと………」
「……っ!」
チクッとした甘い痛み…
いわゆる”余白”に痕を付けたんだろう。
唇を離した信長様は満足そうな顔で付けた痕をなぞった。
「俺は生涯、貴様以外の女は抱けそうにない。どう責任を取るつもりだ?」
こんな天にも登ってしまいそうな甘い言葉を目の前の愛しい人はオレ様に伝えてくるから、そんな彼にキュンと胸が甘く疼いた。
「そんなの…簡単です」
信長様の首に腕を巻き付け彼の顔を寄せる。
「私をずっと愛して下さい。私も絶対に信長様から離れたりしません」
チュッと、勢いをつけて信長様にキスをすれば、頭を掴まれ深いキスへと変えられた。
信長様の言う通りだ。
ついさっき満たされたばかりなのに、今は次の熱が欲しくて体は疼き出す。
「良い覚悟だ。望み通り、貴様だけを愛し続けてやる」
この言葉も態度も、やっぱりオレ様だ。
そしてそんな信長様がとても愛おしい。
「ん……」
体を余すとこなくくっ付け合い、飽きることなく口づけあう。
秋の夜長に愛しい人と抱き合う幸せを噛み締めながら、私の一日は今日も幸せに終了した。