第2章 無人島か戦国時代か
心に活力が満ちてくるのが分かる。
1人じゃないって、こんなにも心強いんだ。
しかも、原因まで分かって三ヶ月後に元の時代に戻れることも分かった。
『俺もそうだけど、君も戦国武将に出会えて気に入られた事はかなり運がいい。このままこの城で三ヶ月を無事に過ごして待っていてほしい。俺が必ず君を元の時代に戻してあげる』
この言葉で三ヶ月を乗り切れる。
確かに佐助君の言う通り、偶然とは言え織田信長の命を助けてなぜか気に入られ、恐怖はあれど衣食住には困らない生活を手に入れた。現代の無人島に放り出されるよりもずっとマシな状況だ。
「そうだ、そうだよ!無人島より全然マシじゃん!」
しかも三ヶ月という期限付き。
「これは佐助君の言う通り、戦国ライフを楽しんじゃえばいいんじゃない?」
信長様は近寄り難いけどちょっと好みの気になるイケメンだったし、他の武将も佐助君もみんなイケメンと言う奇跡みたいなこの環境。不幸どころか神様が私に与えてくれた三ヶ月の傷心旅行だと思って思いっきり楽しもう。
傷つきやすい割に物事を深く考えない私には、もうこの三ヶ月が楽しいものにしか見えなくなっていた。
私の戦国ライフは、自分が思い描いたものからどんどんかけ離れて行くなんて、この時は思いもしなかった。