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トリップして「私が真の三国無双」と言いたい

第2章 桃園の誓いって私がいていいんですか




劉備たちが住む村?へ向かうことになったが。

なんということでしょう。
私は今。劉備と共に
馬に乗っているではありませんか。


「うう、」


馬ってこんなに揺れるの?
バランスが、てか
横の人怖いんですけど


張飛が睨んでいる。
関羽は先導しているから、
顔は見えないけれど。
昨日の様子を考えると。
兄者至上主義なんでしょうね、どうせ。



分かり易い、人間くさい張飛のことは。
愛嬌っていうのかな。憎めないな。



馬の手綱を握っている劉備の腕から、
ひょいと顔を覗かせ、張飛に向かって言う。



「兄者大好きなのはわかったよ~ 心配要らないから!」



一緒に寝てたのがいけなかった。
劉備とすっかりデキちゃったもんだと、
思い込んでるんだと推測する。
何もしてないし、これからも
するつもりがないことを伝える。



「そうか!ならいい!」



がははと笑い、上機嫌で手綱を引く張飛。
馬は速度を上げ、あっという間に
関羽の横にかけていった。



「ほんと、単細胞って感じ」



くすくす笑っていると。
馬上でバランスを崩し、
慌てて劉備の腕にしがみつく。



「ふう、間一髪…………」



劉備が眉間にシワを寄せ。
難しい顔をしているのが見えた。



「すいません。いきなり無礼でした?」



劉備はそうではないと言い。
ぼそぼそと、なにか言い始めた。


何もするつもりがないといいながら。
こうやって平然と身体を預け。
翻弄するさまを見て、やはり魔女の類かと。



「ええ…………」



純情少年みたいなこと
言ってんじゃないよ
いい年のおっさん(じゃなくても成人)
なんだからさあ



と、思いつつも。
世界が違うので、そこまで
考え方を否定する立場でもない。



「いいひと、現れるって決まってるから」



そのうち、阿斗が生まれるはず。
孫尚香の子じゃなかった。
奥さん別にいたってことでしょ。



「未来の奥方のために。こんなどこの馬の骨かわからん女、関わっちゃあいけません」


早苗は頷きながら。
諭すように劉備に語り掛けた。



「そなたは、先見の明を持つのか」



うわあ また
面倒なこと言い出したよ



なんとなく!

そう言い切り。
バランスを取るべく集中しようと
前だけを見ることにする。




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