第1章 目が覚めたら三国志の世界って
「劉玄徳様。このとおり、私はただの民。どうか情けを」
妖術つかいやがるくせに!と
張飛が横やりを入れ。
思わずキッと睨みつける。
使えるならとっくに使って逃げてるって!!
「手に何も持っておらぬ。信じよう」
劉備~!!
なんて馬鹿…………
じゃない、善人なの!!
今度から、ベタなあなたから
プレイするからね!!
目を輝かせ、御礼を言い。
その場を立ち去ろうとする。
「待て、何処へ行く」
「………………」
何処って。
知らない。
ていうか。
何処にも行きよう、
なくない?
今頃そこに気付き。
早苗は渋い顔で考え込む。
この場はとりあえず。
劉備に保護して貰った方がいいのかも。
だって相手 黄巾賊だし。
張角だし。あいつ
あっさり負けちゃうしね。
「劉玄徳様。乱が収まるまで、どうか御側に置いてくださいませ」
うやうやしく、一礼してみる。
ムービーで、幾度となく見た。
こんな感じで、礼してたような。
頭の中で思い出しながら。
立振る舞いをコピーし披露する。
「わかった。必ず、無事 家まで送り届けよう」
家 ないんですけど。
突っ込みたいけど、ここは
空気読んどこう。
関羽は兄者がそう言うなら、と
槍を降ろしてくれた。
張飛はぶつくさ文句言ってるものの。
関羽が兄者の決定だと諫めてくれ。
こうして、
未だ”蜀”として機能してない
三人のもと。
私は三国無双の世界に足を踏み入れた。