• テキストサイズ

トリップして「私が真の三国無双」と言いたい

第1章 目が覚めたら三国志の世界って




「………………、」



光が眩しい。
停電、直ったのかな。


何度か瞬きしていると。
声が聞こえてくる。


「黄巾賊だ!」

「いきなり、現れたぞ!」

「妖術だ!!」




「え?いつのまに戦、始まってたの…………」



目を開けると、兵のような
沢山の輩に覗き込まれていた。



慌てて、飛び起きる。



画面の中で。
何十回、何百回も見たことある。
連合軍の旗。


「ええ………とぉ、」


もしかしなくても。
槍を、向けられている。


変な格好だ、西洋の魔女か。
そんな声が聞こえてくる。



「笑えないんですけど」



なにがどうなった?
いや。
ていうか。



黄巾賊だと思われてるってことは。




早苗はいきなりダッシュした。



「逃げたぞ!」

「捕まえろ!!」



(ひいいいいいっ)



死ぬ!死んでしまう!!
ゲームは好きだけど、
この死に方は嫌だあ!!



どんっ



「む、おなご、か?」



「っ!」


部屋着だったから、当然薄着。
胸が当たったのだろう。


それよりも。



目の前に、いるのは。


「劉備、………なの?」



目の前の男は、目を見開いた。


「何故 その愛称を、そなたが」



ああ~ そうだ。 
劉玄徳だったあ!



「えーと、そのう、」



あわあわ弁明しようとしていると。
長い槍を掲げた大柄の男と。
刃が少し違う槍の、
ずんぐりむっくりな男。


「兄者!」



その呼び方。
言わなくても、わかるよ。
関羽と張飛でしょ。



関羽は私を見るなり、
槍をズイ、と向けた。


「怪しい奴。黄巾賊の一味とみえる」


手をぶんぶんとふり、
違いますアピールしながら。

ほんとに髭!長い!!と
思わず興奮してしまう。


辺りを見渡すと。
やはりまだ赤兎馬には乗ってない。
あれは曹操から貰うんだっけか。
そんな悠長なことを考える自分。



「まて、おなごだ。それに、武装もしていない」



「兄者ぁ、何言ってんだよ。黄巾だろ?怪しい術遣いやがるんだぞ」


使いません、人畜無害です。
あなたの未来の嫁、孫尚香のが
よっぽど強いです。

心で突っ込みを入れつつ考える。

人情に厚い劉備を説得さえすれば。
とりあえずこの場は殺されないで済む。




/ 36ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp