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トリップして「私が真の三国無双」と言いたい

第3章 呂布って逃げるしかないやつですよね




「奉先様っ」



可愛い声。

貂蝉だあ、間違いない!!



木の陰に隠れ。
完全に変質者の早苗。



「うわーうっわ~~~」


美女と野獣ってこういうこと。
呂布と並ぶと、貂蝉の顔が
より一層小さく見える。


踊り子のような恰好。
煌びやかな細工の、
宝飾が付いた飾りを幾つも。



ああ、これは男骨抜きになるわけだ 
と、改めて納得する。



「出るな、貂蝉。戦場は危険なんだぞ」



おーおー 
かっこいいこと言っちゃって まあ


呂布の言葉に ですが、と
反論する貂蝉を眺めながら。
ストーリーを思い浮かべる。




確か このあと 貂蝉 
裏切るんじゃなかった?
義父のために。




唸っていると。
近くに人の気配を感じ我に返る。





「………………」





呂布が、立っていた。
しっかりと。
見られている。



「こそこそと、怪しい奴」



方天戟をぶん、と一振りし。
構えようとする呂布。



を、待つことなく。


一目散に走る早苗。







やばい やばい やばいって!!




呂布は、アウトだ。
敵うわけない。
走っていると、視界の一部に赤いものが。



「赤兎馬あっ!」



呂布のだ。
緩くしか繋いでない。


幸い鈍足の呂布が追いつくまで
少しばかし猶予はある。




「よっ、」



ヒヒ―――――ンッ



「うわっ、とと、」



ビュンッ


赤兎馬は手綱を握ると、走り出した。



「うわ―――――!!」




凄い早さ。
まさに、風を切る!



これでみんなと合流すれば。



しばらく赤兎馬で掛けていると。
慣れてきたようで、
身体の緊張がほぐれてきた。




「いける、かも?」




手に持ったままの槍を
どうにか身体に縛り付け。
弓と矢を手に持った。




「どうせ、向き合わなきゃいけないなら」




目の前で、敵兵が血を流し
倒れるのを見るよりも。
矢で一突きの方が。
心のダメージは、少ない気がする。



赤兎馬のスピードを少しだけ落とし。
弓を、引く。



シュンッ



ザクリと。
誰かが相手していた
敵兵の背に矢がささった。



「あなたは…………!」



趙雲だった。
衝撃的な顔で、こちらを見ている。




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