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トリップして「私が真の三国無双」と言いたい

第3章 呂布って逃げるしかないやつですよね




さて。

いざ、出陣!



袁紹がきーきーなんか言ってる。
もう黙ってたらどうかな。
あんた、大した器じゃないんだし。



劉備らと共に門に向かって進んでいくと。
敵兵が襲い掛かってきた。



「おおおおおっ」



ザシュッ


関羽の一振りで、敵兵が地面に沈む。


「雑魚に構っている暇などない」



流石、兄者!という張飛の声が聞こえる中。
早苗はその場で固まっていた。




「――――――――――」




地面に倒れた敵兵が、すぐそこに。
血で、地面が赤黒く染まっていく。
目を見開いて。
まるで。
こっちを、見ているような。




「―――――っ、」




早苗は口元を押さえ。
近くにあった木に片手を付く。







何 びびってんの
戦 なんだから 当然だよ
やらなきゃ やられる 
それが 戦ってもんでしょ
わかってたじゃない







「………………、」






何処か。
お客さん気分だったのかもしれない。
軽い、気持ちで。
それこそ、ゲームと同じだと。




「人を………殺すってことだ」





犯罪なのだ。現代では。
私は、人を殺したことなど、ない。
これからも、殺すつもりは。
―――――なかった。




「死ぬか…………生きるか」



戦場に、来てしまった以上。
腹を、くくらなくてはならない。
今更、やっぱり無理でしたなどと。
劉備らの陰に隠れて
何もしないわけにはいかない。



足手纏いにだけは。
なったら、いけないのだ。



「私はモブ、なんだから」



主役たちの邪魔をすることだけは。
吐き気が収まったところで、
大きく深呼吸をする。




「三人を、追わないと」




走って追いつくと。
三人は次々と敵兵を打ち取りながら進んでいた。



「早苗!出遅れてるぞ!」


張飛の声掛けに。
ごめん!と返事をし。


震える手に、力を籠め。
槍の柄を強く、握る。




「―――――覚悟、決めなきゃ」





そのとき。

やああああっと声を上げながら。
向かって来る敵兵が。




「っ、」



ザンッ



刃が。敵兵の胸元を切り裂く。



ドサッ、………




うめき声が聞こえる。


顔をしかめ。
唇を、噛んだ。




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