第3章 呂布って逃げるしかないやつですよね
はいはいはい。
出ました、虎牢関。
袁紹ね、いけ好かない、
変な髪型のやつ。
今日は。
連合軍の集まりに来ていた。
董卓軍を討つべく、
集められた英雄たち。
「うは~…………」
出たあ、夏侯惇!!
片目!シブい!!
典韋!悪来って言われてるぅ~~
孫堅とこは黄蓋と、
韓当とかいうおっさん。他。
此処で趙雲と
知り合うんじゃなかったっけか。
公孫瓚とこに行ったのはそのあと??
難しい顔をして考えていると。
声を掛けられた。
「なんと、おなごがおるとはな」
曹操様~!!
整えておられますな、御髭!!
「どうも、初めまして…………」
女好きじゃなかったか?
曹操って。
いや、ていうか。
権力に女が寄ってくパターンか。
私は、寄らないけどね!
「頑張りまーす」
へらっと笑って。
そそくさと、関羽の後ろに隠れる。
でかい図体って、使い道色々だよね。
「ほう、…………」
興味深そうに、曹操がこちらを見ている。
この場合は、関羽でしょ。
私じゃないよね??
これ以上モブに気を取られちゃだめだよ。
メインキャラの皆さん!!
「董卓を討―――――つ!」
オオオオオオッ
耳障りな甲高い声を発する袁紹。
耳を押さえながら、決起の声を受け流す。
「酒池肉林だっけ…………」
いや、あんな小太り爺さんどうでも。
それより呂布だよ、呂布!
華雄とかいう中途半端な武将も
いたような気がするけど。
「基本、逃げるしかない感じだったよね」
レベル爆上げしたあとじゃないと
太刀打ち出来ないやつ。
あいつ、赤兎馬乗ってるのかな?
降りてる間に奪えないかな。
馬にさえ乗ってなければ、
そんなに足速くないんだし。
「………………」
早苗はきょろきょろと辺りを見渡す。
貰うなら、折角だし。
「すみません、予備の弓セット、持っていませんか」
「なんだぁ、てめえはぁ!?」
でかい声だな オイ
聞こえるよ
もう少し小さくても
「弓の名手と伺いました。私、初陣なのです。現を担ぐためにもどうか」
夏侯淵は、しおらしく上目遣いで見つめると。
しゃあねえな!と言って、荷物を漁り始めた。
(なんだかんだ、いいやつ)