第10章 喪失
午前の座学が終わり、お昼を食べ終わった私達は午後のトレーニングに向かうため揃って教室を出た。
「よし、ジャンケンして負けたヤツが全員の飲みもん奢りな?」
「しゃけ〜」
暑くなってきてからジュースを賭けたジャンケンが恒例になってきた。
「「最初はグー!ジャンケンッ、、、」」
『・・・・うぅ…。』
ガクッと肩を落とした私の背中を真希さんがバンッと叩いた。
「あたしスポドリ〜!宜しくな!」
「俺麦茶。」
「いくら。」
『・・・?い、いくら…⁇』
さすがにいくらじゃ分からなくて首を傾け焦っていると、
突然、校内アナウンスが流れた。
[一年、至急職員室まで来るように。]
『・・・え、、私?』
ポカンと口を空けていると、憂太君が声を掛けてきた。
「至急って言ってたし、急いで行った方が良いよ?」
「だな。仕方ねーからジュースはまた今度にするか。
うちら先グラウンド行ってんな?」
『うんっ、ごめんね?ちょっと行ってくる。』
私は急いで職員室へと向かった。