第9章 指輪
グラスに注がれていたのは麦茶ではなくめんつゆ。
用意されていた悪戯は一つだけではなかったのだ。
「おっえーーー‼︎しょっぱっ‼︎‼︎︎って、、、、、、、なんかごめん。。」
五条先生が吹き出した麺つゆは向かいに座っていた私の顔に見事にかかった。
『・・・・・。』
ポタポタ、、と前髪と顎から麺つゆが滴れ落ち、白いシャツに染みを作っていく…。
シーーーン、と場が静まり返り、居た堪れない視線が私に向けられる。
微妙な空気が漂う中、俯いて我慢していたけど耐えきれなくなった私は、プッと吹き出した。
すると皆んなも一斉に声に出して笑い始めた。
「、微動だにしないからキレてんのかと思ったゾ?」
「ツナツナ!」
「さん、これ、とりあえずタオル使って?」
『フフッ、なんか皆んなの顔が可笑しくて。
タオル、ありがとう。』
「チョット、、君達ね、仮にも僕は教師、」
「〜、顔洗って着替えて来た方が良いぞ?気持ちわりーだろ?」
『そうだね、ちょっと行ってきます。』
「・・・・・ねぇ、僕の扱い酷くない?」