第2章 日常が壊れる日
あぁ、、頭痛い…。
思わずこめかみのあたりを抑えると、
「ん?また頭痛?」
隣を歩くあかりちゃんが顔を覗き込んできた。
『少しね…大丈夫、大した事ないよ』
「無理しないであんまり痛かったら保健室行きなよー?私なんてしょっちゅーサボってるよ(笑)」
『うん、そうする…。』
笑顔を作り何事も無かったかのように振る舞う。
毎年この時期は頭痛に悩まされる日が多い。
その理由は分かってる…。
周りの人には見えないものが私には見える。
そして"ソレ"はこの梅雨の時期になると異様に増える。
けどその事は誰にも言わないし、私自身も見て見ぬフリを決め込んでいる。
もう精神病棟には戻りたくないし、
万が一、問題を起こしたら施設に居られなくなってしまう。
私はぐっと奥歯を噛み、真っ直ぐ前を向き足を進める。
その間も背後からは刺さるような視線と気味の悪い気配を感じた。
・・何だろう、、今日は一段と嫌な感じがする。
天気のせい?
校舎に近づけば近づく程その重苦しい空気が増していった。