第9章 指輪
「それにしても、すごいよな、特級2人に守られてたらある意味最強だな?」
『・・・特級?』
首を傾ける私に、パンダ君は「知らないの?」と言わんばかりの顔で振り向いた。
『いやっ、、呪術師に等級があるのは聞いたけど…』
苦笑いを浮かべると、パンダ君はヤレヤレと肩を竦めてみせた。
「全く、悟は基本的な事は何にも教えてないんだな。
呪術師は実力に応じて4級〜1級が割り当てられるけど、特級ってのは最早規格外の強さで日本じゃ現状、4人しかいないんだぞー?」
『よ、4人っ⁈・・・もしかしてその4人の中に五条先生と憂太君が入ってるの、、、⁇』
「そーだぞ?」「しゃけ」
驚愕の事実に目を見開いた。
す、凄い…。
私、そんな凄い人達と過ごしてたんだ…。
私は確か学生証を貰った時、4級って言われた。
しかも五条先生は実質4級以下だけどね〜って言って笑ってたし…。
等級が上がれば上がる程、与えられる任務は難易度が増すし、その分危険も増える。
いつまでも2人の手を煩わせてたらいけない…。
守ってもらうばかりじゃなくて、少しでも早く術師として認めてもらえるように頑張らなきゃなぁ、、、。
ーーーーよし。もっとトレーニング、頑張ろ。
狗巻君が手伝ってくれたお陰で準備も早くに終わり、後は皆んなが帰って来るのを待つだけになった。
パンダ君と狗巻君はゲームで何やら対戦をして盛り上がっている。
「明太子ーー!」
「ハイ!俺の勝ちー!棘の2連敗だな?
もやるか?」
『えー、、私はそう言うの苦手だから。いいや…。』
苦手、と言うよりゲームなんてやった事がない。
「じゃあ俺の勝ちって事で終わりにするか。そろそろ憂太達も帰って来るだろうし。」
「すじこー、いくら、こんぶ。」
「分かった分かった。あとでもう一回勝負な?」
「しゃけ!」
なんだか2人のやり取りが微笑ましい。
パンダ君は悪ふざけする時もあるけど、個性豊かな一年生達をまとめてくれる頼れる存在だ。
その時、
ふと気になっていた事が頭をよぎり、今ならパンダ君になら聞けるかも…と思い、それとなく切り出してみた。
『ーーーあの…パンダ君、憂太君の彼女さんってここの学校の人、、だったりする?』