第8章 転入生
『ハァ、ハァッ、、、も、、だめ、、、、あぁっ!』
足がもつれ、ビターンと派手に転んだ。
『いったーー、、、』
手のひらと膝を擦りむきびりびりと痺れる…
なんとか起き上がりると、汗と砂埃にまみれた私の横に五条先生が口元に笑みを浮かべながらやって来た。
「ハハッ!、想像以上に体力ないねー?
ちなみにこれ、ウォーミングアップだから。」
『・・・・ハイ。』
グラウンド5周目にして早くも挫けている私とは裏腹に、すでにみんなは息を切らす事なく10周を走り終え、次のメニューをこなすべくストレッチを始めている。
「憂太も3ヶ月前は今のに毛が生えたようなモンだったよ?
かなり貧弱だったけど、人は努力次第で変わるんだね〜。」
『・・・私には2ヶ月しか猶予がないんですけど、、』
「あぁ!そーだったねー!んじゃ、もっと死ぬ気でやらないと‼︎
まずは基礎体力をつけるトコからだから、ホラあと10周頑張って〜。」
ヒラヒラと手を振りニッコリと笑う五条先生。。。
そのアイマスクの下の目はきっと笑ってないんだろう…。
ガクガクと震える膝に鞭を打ち、再びスローペースで走り出す。
今まで運動というものを避けて来た自分をこれ程憎んだ日はない…。