第2章 日常が壊れる日
『・・・置いていかないでっ‼』
カバッと起き上がるとそこはいつもの見慣れた部屋。
『・・・また、同じ夢。』
はぁ…とため息を吐き、うっすらと額にかいた汗を拭う。
「〜⁇またうなされてたけど、大丈夫⁇」
2段ベッドの上から心配そうに顔を覗かせたのは同い年のあかりちゃん。
『うん…。あ、ごめんね?起こしちゃった?』
「ちょーど起きたとこ。てか今週うちら朝食当番じゃーん。はぁ、、だる。」
『私、先行ってるからあかりちゃんはゆっくり来たらいいよ。』
「え?マジ⁇助かるー!今日は新しい彼と放課後デートの約束してるから髪の毛とメイク、ばっちりしときたいんだよねー♡」
嬉々とした声を聞きながら、私は軽く布団を整えパジャマを脱ぐと高校の制服に着替えた。
共同の洗面所でパシャパシャと顔を洗い、長い黒髪を梳かし一つにまとめる。
たったこれだけが私の朝のルーティン。
あかりちゃんにしてみれば女子力が無さ過ぎるらしい。