第5章 任務
「ここが1件目の現場っす。
調査資料によると、解体中の工事現場で怪我人が続出、体調不良を訴える人が増えてる、との事ですっ!
ここは元々廃病院だったようで、低級の呪いが集まって巣食っている、との情報っす!」
2階建の建物には足場が組んであり、一台の重機がポツンと取り残されている。
赤いポールが数カ所に置かれ、立ち入り禁止の張り紙が貼ってあり、正面には"休工中"の立て看板が立っていた。
人の気配はしないのに、、中に何かいる…。
じっと建物を見ていると、
「じゃあ、社会見学って事で憂太と一緒に中、入っておいで?」
『私も⁈ですか、、⁇』
目を見開き、五条さんを見上げる。
「大丈夫〜!憂太こう見えてめちゃくちゃ強いから。
何かあっても守ってくれるよ。」
『・・・何かあっても、、、』
緊張と恐怖心で身体が強張っていく。
「さん、ここはそんな難しい任務じゃないから気負わなくて大丈夫だよ。
すぐに終わらせよう!」
憂太君はぐっと拳を握ると明るい笑顔を見せた。
その笑顔に少しだけ緊張が和らぎ、私はコクッと頷いた。
「ククッ、いいね!じゃあ憂太、頼んだよ?」
「はいっ、行ってきます。」