第4章 監視役
「んー?」
「さんはこれからどうなるんですか?」
「ーーー昔の自分と重なる?」
憂太の瞳が揺れた。
アイマスク越しでも五条には全て見透かされてしまう。
そんな気がして憂太はテーブルに視線を落とした。
「・・・彼女の事はまだ正直分からない事だらけですけど、、、支えになれたらなって思います。
僕はここに来て、皆んなに支えてもらったから…。
だから今度は僕が、誰かの役に立てれば、、って思います。」
「そーだね。今のままじゃあの子、能力をコントロール出来ずに殺人犯になりかねないからね。
もし自分が誰かを殺めてしまった、ってなったら罪の重さに耐えきれず彼女は命を絶つだろうし。」
憂太はぐっと奥歯を噛み、眉を寄せた。
「まぁ〜、そうならない為にも僕はを高専に転入させようと思ってる。
色々問題はあるけど、そのつもりで動いてるよ。」
「・・・ほんとですかっ⁇」
目を輝かせる憂太を見て、五条はフッと口元を緩めた。
「憂太の期待に応える為にも頑張るよ。
その為にまずはの能力を確認したい。
だから今日はそれ程難しくない任務、2つ付き合ってもらうよ?」
「が、頑張ります…‼︎」
すっかり頼もしくなった憂太を見て、五条はアイマスクの中で目を細めた。
あとは次第かーーーー。
もし彼女が高専に入る事を了承したとして、あの気弱で真面目な性格、それにどこか脆いものを持つあの子が呪術師としてやっていけるのか…。
呪術師はイカれてないとやっていけない。
彼女の中のもう1人がイカれてるとしてもそれでは意味がない。
ーーーーさて、どうしたもんかね。
生クリームがたっぷりと挟まったフルーツサンドをペロリと完食した五条は、パックのコーヒー牛乳にストローを挿し、ちゅーと吸いながら長い足を組んだ。
「ーーーそれにしてもさ、憂太。
長年の経験と勘も外れる事はあるんだね〜?」
「・・・先生、その話はもうやめましょう…。」