第4章 監視役
「あのね、僕そんな変態に見える⁇
豊富な経験と勘、ってやつだよ?憂太君。」
クククッと喉奥を鳴らし笑う五条さんと、はぁ〜〜と深いため息を吐く乙骨憂太君。
昨日からこの2人のやり取りを見ていても五条さんが"学校の先生"だという事がイマイチ信じられない。。
そんな対照的な2人を横目に私は紙袋の中を覗いてみた。
何だか高そうなお店の服だなぁ、、、
ブランドに疎い私でも生地の質感や仕立ての良さでこの服が高いものだとわかる…
チラッと値札が目に入り手に取ってみると
『た、、高っ‼︎‼︎』
普段私が着てる服の倍、、いやそれどころじゃない、ゼロが一つ多い…‼︎
『あっ、あの、、私こんな高い服、着れません…』
手にした服を紙袋に戻し、五条さんに押し返した。
「え?好みじゃない⁇
時間が無かったからさ〜いつも僕が買ってる店で適当に見繕ってもらったんだよね〜。
んじゃ、また買い直そうか。」
なんて事ないように話す五条さんに思わず目を丸くした。
『・・買い直す⁇いや、、そうじゃなくて、、、。
とても素敵なんですけど、私みたいな地味でダサい子が着こなせるとは思えなくて…。」
オドオドと目線を泳がせ小さい声で呟いた。
「なぁーんだ。せっかくだし気に入らない訳じゃないなら着てよ。
まぁ〜地味でダサいってトコは否定しないけど、は磨き方次第では結構綺麗になると思うよ?」
…
自然に名前を呼び捨てにされ、思わずドキッとしてしまう。
貶されたのか褒められたのか、よく分からないけど、物事をハッキリ言う姿は裏表が無いように感じ少しだけ好感が持てた。
その後、私がいらないなら処分する、とあっけらかんと言う五条さんを止め、結局2つの大きな紙袋は有り難く頂く事にした。
「今日はこれから任務に同行してもらうから着替えといで?」
と言われ、私は着替える為自室へと戻った。