第3章 私は何者か。
シャワーを浴び、冷え切った身体は幾分マシになった。
家入さんに借りた柔らかい素材のパンツに7部袖のカットソーに袖を通しながら汚れた制服に視線を落とす。
白いシャツには血が飛び散っている、、、
私の血では無い事は確かなのに、これが一体誰の血なのか全く思い出せない。
はぁ、、、ため息を漏らす。
家入さんの話ではこの学校にいる人達は皆んなあの"呪い"というやつが視えているらしい。
そしてこの学校はその呪いを祓うべく、呪術を学び訓練し、呪術師を育てる学校なんだと話していた。
そんなよく分からないとこへいきなり連れて来られ、しばらくの間は監視付きでこの学校の敷地内で過ごさなければならないと言われた。
私は一体何者なんだろうーーーー。
コンコン、
「ーーー大丈夫?」
ドアの外から家入さんの声が聞こえた。
私は慌てて荷物を持ち、脱衣所を出ると、壁に寄りかかり腕を組む家入さんと目が合った。
『すいません、お待たせしました、、あと
服までお借りしちゃってすいません…』
「いーよ、私と体型似てるからちょうど良さそうだね。
明日にでも五条が身の回りのモン用意してくれるから1日だけの辛抱だよ。」
『え?用意してくれるんですか…?』
「身、1つで連れて来られたんだ。色々と困るでしょ?
あ、それ制服?クリーニングに出しておこうか?」
手に持っていた制服に家入さんが視線を向けた。
けど私は俯き首を横に振った。
『血は取れないでしょうし…それにもう、私はあの学校には戻れませんから…』