第3章 私は何者か。
「先生?」
先生はベッドの上で仰向けで横になっていた。
「今日から僕と憂太での監視をする事になった。」
「・・・監視、ですか…。」
「そ。今伊地知が彼女の身辺、身元を調査してる。
その調査結果次第で今後どう扱うかは変わるけど、現状、分からない事が多過ぎて野放しにするのは危険過ぎるって上の判断だよ。」
「・・えっと、まさか監視って、、ここで一緒に住むって事ですか…?」
先生はむくっと上半身を起こすとピッと人差し指を立てて笑った。
「ピンポーン!正解♡」
「正解、、って…。それなら僕より同性の真希さんの方がさんにとってみれば良いんじゃないですか⁇」
「彼女は呪いは見えていてもそれ以上の事は何も知識が無かった。
その上、彼女の呪力は微々たるもの。
見た感じ4級以下だ。
・・・なのに、何で2級呪霊を一発で祓えたか…。
しかもその場にいた生徒にも攻撃を加え大怪我を負わせている。
この辺は正当防衛として考慮されてるけど、あきらかにやり過ぎだ。」
先生の顔から笑みが消えた。
「僕の勘だけど、彼女は二重人格、あるいは何かが憑依しているか…。
どちらにしても二面性を持ってる可能性が高い、それもかなり凶暴なね。」
「・・だから途中から記憶が無かった…?」
「そうだね。現状彼女がいつ、どんなタイミングで豹変するか分からない。
分からない以上、安易に真希と同じ部屋にするのは危険だからね。
万が一、彼女が凶暴化しても僕と憂太が一緒ならなんとかなる。」
そんな…。
ついさっきまで医務室にいた彼女からは到底想像がつかない…。
気が弱そうなただの普通の女の子に見えた。
それに大粒の涙を零し、僕に縋りつく彼女の顔が脳裏から離れなかった。