第3章 私は何者か。
『あのっ!あかりちゃんは⁈怪我をしていた女の子は無事ですか⁈』
あまりの勢いに、男の子は驚き目を丸くした。
「・・ごめんなさい、、ちょっと僕には分からないから今先生を、、って、、、エッ⁉︎」
最後に見たあかりちゃんの姿が目に浮かび、気付くと涙が頬を伝っていた。
あまりに痛々しい姿で暴行を受けていたあかりちゃん…
なぜ無傷の私が医務室にいてあかりちゃんがここにいないのか。。
『あかり、、ちゃんっ、、どこですかっ⁉︎』
ボロボロと溢れる涙をそのままに、私は男の子に縋り付いた。
白い制服の袖をぎゅっと握り、眉を下げあたふたする彼の目を見上げる。
その時、
ガラッとドアが開き白衣を着た女の人と、黒のアイマスクをした男の人が入って来た。
「あれあれ〜〜?もしかしてお取り込み中?僕たちお邪魔だったカナ?」
アイマスクをした人は口元に弧を描き、ヒラヒラと手を振って見せた。
「ちょ、ちょっと、せんせー!今そういう空気じゃ、、」
「そうだぞ、五条。えっと…さんだったね?
とりあえず一旦落ち着いて。
色々聞きたい事もあるだろうから、少し座って話そうか?」
落ち着いた声でそう話すのは白衣を着た綺麗な女の人。
その隣でアイマスクをした長身の男の人は不貞腐れたように下唇を突き出している。
私は手で涙を拭い黙って頷くと、女の人は表情を緩め、ベッド脇にあったパイプ椅子を差し出してくれた。
「あのー、、じゃあ僕はこれで…」
先程の男の子は遠慮がちに声を掛け出ていこうとした、、
が、そんな彼の前にアイマスクの人が立ちはだかるとニヤリと笑った。
「今回は憂太にも協力してもらいたいんだよね〜。だからもう少し付き合ってくれる?」
「は、はぁ…」