第2章 日常が壊れる日
『おっそ。』
刃が目に刺さる直前でスッと身体を反らせ、呪霊の腕を掴み思い切り引きちぎった。
「グギィィーーーーーーーー!!」
耳をつん裂くような雄叫びが辺りに響く。
『うるさいな。もういいよ消えて。』
パシュッ
赤黒い塊は一瞬にして跡形もなく消え散った。
その様子をは冷めた目で一瞥すると、濡れた長い髪を掻き上げた。
『久しぶり過ぎて加減の仕方忘れたわ。』
「・・・・、、」
自分の名を呼ぶ、今にも消え入りそうな声が聞こえた。
その声が鼓膜を、の頭の中を、、記憶を刺激する。
『くっ、、、』
ぐらり、と視界が揺れはバシャンと濡れた地面へと倒れ、気を失ったーーー
人生3度めの術式発動により2級呪霊討伐ーー
それから程なく、雨上がりの屋上に1人の生徒と教師が現れた。