第2章 日常が壊れる日
「先生っ!これ、、」
「うーん。やっぱり、予感的中だねー!
この任務は憂太一人で行かせるつもりだったけど、引率して正解だったよ〜。」
軽い口調の教師とは裏腹に、悲惨な現場を目の当たりにした生徒の顔は青ざめていた。
「じゃ、憂太は4人の安否確認を。僕はちょっと気になる残穢を見つけたから少し調べたい。」
「わ、わかりましたっ!」
ーー
教師は呪霊が祓われたであろう場所にしゃがみ込み、うーん。と首を傾けた。
微かに残る残穢を辿る。
調査資料によればこれは低く見積もっても2級案件。
昨日から2人の生徒が行方不明、恐らくこの祓われた呪霊による被害だ。
2級、もしかしたらそれ以上の呪霊を一発で仕留めている。
腕の立つ術師でないとそうはいかない。
けど、この残穢を辿った先に居たのは一見普通の女子生徒だ。
そしてそのすぐ隣には友人だろうか、着衣が乱れ、外傷のある女子生徒が寄り添うように倒れている。
・・・妙だね。
女子生徒からは呪霊を祓える程の呪力を感じない。
この子が祓ったとは考えにくい…。
そこへ憂太が駆け寄り、脈を確認すると、
「先生っ!向こうに倒れていた男子生徒と、この2人は脈ありますっ!」
片手を上げ軽く頷くと、伊地知に電話を掛けた。
「伊地知?すぐに救急車の手配、それと死体回収も。
あと硝子に1人診てもらいたい生徒いるから連絡しといて。」