第16章 罰
ーーー数時間後。
施設では警察による現場検証が行われる中、
駆け付けた七海はと会話をしたという少女から話を聞いていた。
「おつかれ〜七海。つーか、、酷い顔だね?」
重い空気が張り詰める現場に、軽口を叩く長身の男が現れた。
七海は深いため息を吐くと同時に、少しだけ安心したような表情を見せた。
「私が付いていながら申し訳ありません。
さんの行方を見失いました。」
五条は血の跡が残る床にしゃがみ込み、じっとソレを見据える。
「いや、七海は悪くないでしょ?
・・・今回は相手が悪かった。」
「ーーー夏油傑の残穢が残されてます。」
「あぁ。」と低い声で呟く五条の隣に七海は立ち、眉を顰めた。
「死亡した少年の血痕とは別に、さんの血痕も大量に残されています。
恐らく現場に落ちていたバールで強打されたんだろうと警察の方が仰ってました。
だとするとかなりの重症なのに、何故彼女は反転術式を使わなかったのでしょうか?」
そう、不思議な事に此処には#NANE1#の残穢が一切残されていなかった。