第15章 不穏
「オイッ、1時間待ったぞ?はまだ来ねーのかよ?
つーかお前ほんとにアイツを呼んだのか?」
『ーーーッ⁈』
誰⁇
声だけでは分からず、どうにか顔を確認しようと廊下へと足を進め、広間の手前で身を潜めた。
早鐘を打つ鼓動を落ち着かせるように息を吐き、そっと中を覗き見ると…
ーーーーその光景に目を見開いた。
小学生達は1箇所に集められ、手足には結束バンド、口にはガムテープが貼られていて、皆んな恐怖に震え、怯えた表情をしていた。
その横では、みさきちゃんと早苗さんがパイプ椅子にくくりつけられている状態で座らされているが、早苗さんは殴られたのか、こめかみあたりから血を流しぐったりとしていた。
ーーーー想像以上の悲惨な状態に頭が真っ白になる。
どうしよう、、、どうしたら良い、、⁈
手が震え、血の気が引いていく…
こちらからは男の顔は見えない…。
けど、茶髪にダボっとした服を身につけてる事から若い男なのはわかる。
ーーー相手は1人、手には30センチ程のバールを手にしている。
それなら私でもどうにかなるかもしれない…
けど、すぐ近くに身動きの取れない子供や意識のない早苗さんがいる…。
これだけの人数を私一人で守れる、、、⁈
結界を張ると言ってもこんなに近くに男がいたら無理だ、、、
今の私では緻密な呪力操作は出来ない…。
ぐるぐると思考をフル回転させ打開策を考えていると…