第2章 日常が壊れる日
バンッとドアが開く音が響き、屋上にいた4人の視線が一斉に私に向けられた。
『・・あっ、、あかりちゃんっ‼︎』
大粒の雨が降りしきる中、ずぶ濡れのあかりちゃんはフェンスを背に座りぐったりとしていて、
顔は赤く腫れ上がり、制服のシャツは破れ肌が露わになっていた。
そんなあかりちゃんを見下ろすように傘を差した女が2人と男が1人、傍に立っていた。
女の1人は携帯を構えていて、この状況を撮影していた事が伺えた。
な、に、、コレ、、、
目を疑うような光景に私はその場で立ち尽くした。
その時、薄く目を開けたあかりちゃんが私に気付き、
「・・・、、来るな、、」
小さく掠れた声は雨音で消されていく。
膝が震え、足が地面から離れない、、、
助けを呼ばなきゃ!と頭では分かっているのに、歯がカチカチと音を立てるだけでうまく声が出せないでいると、そんな私を見て長い髪の女がチッと舌打ちをした。
「あーーあ。せっかく良いとこだったのに、台無しじゃん。どーする?あの地味女もやっちゃう?」
「見られちゃったし〜?口止めするしかないっしょ?マサキ2人ともヤっちゃってよ。」
「あ?じょーだんだろ?あんな地味な陰キャ相手じゃ勃たねーしヤレっかよ。
てか俺、もう我慢出来ねーから続きシてい?」
卑猥な笑みを浮かべた男がカチャカチャとベルトを緩め始めた。
「チッ、分かったよ、ったく。エミはそのまま撮影続けて?
私はあの陰キャの口止めするわー。」
長い髪の女がこっちに向かって歩いてくる。
その後ろで男があかりちゃんの足を広げ覆い被さったのが見えたーーーーー
その瞬間、
激しい怒りを覚え、全身の血が沸き立つような感覚と同時に頭に激しい痛みが走った。