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呪術廻戦  〜生きた証 前編 〜

第15章 不穏


サングラスの奥の目がスッと細められ、じっと私を見下ろした。


『・・・私なんか狙ったって何の特にもなりません、、それは考え過ぎじゃないですか…?』


「はい、私もそう思いました。」

『それならっ、、』

「五条さんの指示です。」


『・・・・五条先生が?』


「ここに来る前、五条さんと電話で連絡を取ったのですが、あの人は誰かが裏で糸を引いている可能性がある、と話してました。
そしてもしこの一連が誰かの仕業だとしたらさんを高専から外に出し、孤立させるのが目的かもしれない、と。
あの人の言い方からして何か思い当たる節があるんでしょう。」


『・・・・っ、、』


言葉に詰まる私を見て、七海さんは少しだけ表情を緩めた。



「あの人は普段はどうしようもない性格してますが、私はあの人を信用し、信頼してます。
あなたも同じでしょう?」


『・・・・はい。』


「これから私も現場に向かわないと行けません。数時間で戻る予定ですが、私が戻るまでは決して何があっても高専の敷地から出ないで下さい。
いいですね?」


『わかりました…。』


俯き、小さい声で呟くと、頭上から短く息を吐くのが聞こえた。



「・・大丈夫です。ここにいる限り安全ですし、五条さんは今日の団体戦が終わり次第、一足先にこっちに戻って来ると言ってましたから夕方には戻ると思います。
ですからそれまでの辛抱です。」

「はい…。」


「では、私はこれで失礼致します。」



律儀に会釈をし、七海さんは踵を返し来た道を戻って行った。




さわさわと葉が風に揺れる中、
1人取り残され、急に不安が押し寄せて来る。


ーーー私を狙う?
今ひとつ信じがたい話しに何だか腑に落ちないでいた。


それにしても、昨夜から皆んな寝ずに任務に当たっているのだろうか…。




『ーーーーっ!そうだっ‼︎』



家入さんの所に行けば私にも何か手伝える事があるかも…?

もしかしたら怪我人も出ているかもしれない、、、


そう思い、急いで校舎へと足を運んだ。


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