第15章 不穏
ハァ、ハァ、ハァ、、
15周目を走っている途中で、珍しい人が校舎の方から姿を現した。
『ハァ、ハァ、、七海さん、、?』
グラウンドには私しかいない。
ーーー私に、用かな、、、?
首を傾け、七海さんの方へと駆け寄った。
七海さんの事は顔と名前を知っている程度で、実際にちゃんと話はした事はない。
病院での事件の後始末は全て七海さんがしてくれたらしいが中々会う機会もなく、だいぶ時間が経ってしまった。
「ランニングの邪魔をしてしまい申し訳ありません。
少しお時間頂いても?」
『あ、はい。もちろん…』
「日差しが強いので、あちらで話しましょうか。」
汗だくの私を気遣ってくれたのだろうか、、
私は慌てて首に巻いたタオルで汗を拭い、七海さんの後に続いた。