第14章 夏の終わりに。
とりあえず残った花火は端に纏めておこうと片していた時、
カランと缶が転がる音と、ピューーーとロケット花火が打ち上がる音が同時に聞こえた。
「え、、、?」
ーーーそこからは、まるで全てがスローモーションに視えた。
あーっ!と叫ぶパンダ君。
コロコロと転がる缶と、軌道を変えたロケット花火。
「さんっ‼︎」
それが一直線に私の方へ飛んで来ると、瞬時に気付いた憂太君が背後から腕を伸ばす。
地面スレスレを飛ぶロケット花火がこの余った花火に点火したら、、、
そう思った瞬間、
私は無意識に掌を地面に当て呪力を放出した。
一瞬にして青白い光が私の周辺を円形に包みむと、光の壁に当たったロケット花火はその場に墜落した。
『・・・よ、良かった…』
花火に引火する事なく、ホッと肩を撫で下ろしていると、
「さん、、これって、、?」
振り向くと憂太君が驚いた様子で、光の壁を触っていた。